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至高の「エンツィアン」を求めて
ドイツ・アルプスの山奥「グラッスル蒸留所」へ。
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Rika Higashi(ポルトガル在住)
冒頭写真:アルプスに自生する黄花ゲンチアナ。© Enzianbrennerei Grassl 上:アルプスの恵みが詰まった、グラッスル蒸留所の「エンツィアン・ハーブリキュール」。© Enzianbrennerei Grassl
そもそも「エンツィアン」とは? 「ゲンチアナ」とは?
エンツィアン(Enzian)とは、ドイツ語でゲンチアナ、またはゲンチアナを原料としたお酒のことを指す。
(ゲンチアナはラテン語)
ちょっと紛らわしいので、以下、原料となる植物はゲンチアナ、ゲンチアナの蒸留酒をエンツィアンと表記しよう。
リンドウ科の高山植物、ゲンチアナは「アルペンブルー」とも呼ばれる鮮やかな青い花で有名だが、アルプス地域にはなんと230種類以上もが自生する。
そのなかで、お酒の材料として使えるのはわずか4種類。
それらは、茎が長く、黄色もしくは紫色の花を咲かせるもので、成長が非常に遅く、根が利用できる大きさになるには10~20年ほどかかるという。
地中深く張る根の採取は難しく、特殊技術をもった「ゲンチアナ師(Wurzengraber)」の出番となる。
属名のゲンチアナは紀元前180年~167年に存在したイリュリア王国(現バルカン半島西部)の最後の王、ゲンティウスの名前が由来だとされている。
病気や負傷に苦しむ国民を救いたいと願ったゲンティウス王自らが、ゲンチアナの薬効を発見したんだとか。
苦味の強い独特の風味が特徴で、現代でも食欲増進や消化不良、胃痛、胸やけ、下痢、吐き気などに効能のある苦味健胃薬として知られる他、さまざまなお酒の苦味成分としても用いられている。
ゲンチアナを主原料にしたお酒でもっとも代表的なものは、「ピカソも愛した」と言われるフランスのリキュール「スーズ」だろう。
他にも、鮮やかなオレンジ色の「アペロール」、また原料は秘密とされている「カンパリ」や「フェルネット・ブランカ」の苦味成分の1つだとも言われている。
今回訪れたドイツ・アルプスのグラッスル蒸留所では、ゲンチアナの根のみを原料にした蒸留酒「エンツィアン」を昔ながらの手法で製造している。
(つまり、ゲンチアナの風味を思い切り味わうことができるってワケ!)
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