ラムから泡盛、そして再びラムへ。
ヘリオス酒造の原点回帰。- 後編 -

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ラムから泡盛、そして再びラムへ。
ヘリオス酒造の原点回帰。- 後編 -

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松田正法/Matsuda Masanori from「ヘリオス酒造」

ラムに加え、泡盛、ウイスキー、リキュールそしてクラフトビールと多彩な酒造りを担うヘリオス酒造は、今年創業65周年を迎えます。後編では同社の営業本部長を務める松田正法さんに、なぜいまラムに回帰するのか、その背景とネクストステップを伺いました。

文:Ryoko Kuraishi

左は長期熟成「TEEDA 21年」¥41,800、右はゴールドラム「TEEDA 5年」¥3,762。

自社農園のサトウキビを搾った、希少なクラフトアグリコールラム。

現在のヘリオス酒造のラム造りを語るうえで、欠かせないプロダクトが「TEEDA AGRICOLE」だ。

県北部に位置する屋我地島の自社農園で栽培したサトウキビで仕込んだアグリコールラムだ。

営業本部長の松田正法さんいわく、「創業者の松田正が掲げた理念、『酒はその土地で穫れる作物で造る』を体現するプロダクト」がこの「TEEDA AGRICOLE」なのだ。

サトウキビの産地でしか造ることができない“ジャパニーズ・クラフトアグリコールラム”は希少性があるし、それだけで消費者を惹きつけるストーリー性もある。

沖縄の気候や風土をボトルに閉じ込めた、まさにFARM TO GLASS (畑からグラスの1杯まで)を体現するラムと言えるだろう。

※アグリコール・ラムとは、サトウキビの搾り汁をそのまま発酵・蒸留して作られるラム酒のこと。
砂糖製造の過程で生じる糖蜜を原料とするインダストリアル・ラムとの違いは、サトウキビ本来の風味を生かしていること。カリブ海周辺のフランス語圏地域が有名だが、アグリコールラムが占める割合は、世界のラム酒生産量の1割程度。
サトウキビは収穫した途端に劣化が始まってしまうので、風味のよいアグリコールラムを造るためにはサトウキビ収穫後なるべく早く加工に回さなければいけない。
アグリコールラムがサトウキビ産地でしか造れない理由はここにある。

名護の本社に併設する、試飲ができる「古酒蔵ショップ/ギャラリー」。

「ラム造りで創業した私たちですが、ラムに関しては長年、糖蜜で造るトラディショナルラム(モラセスラム)の『HELIOS RUM』と黒糖酒をメインに展開していました。

アグリコールラムにも力を入れようと思ったのは、屋我地島に自社農園を取得したから。

屋我地島は創業者の出身地ということもあり、創業者が掲げた理念に合致する地元の農産物で仕込むラム造りに回帰することになりました。

また、地元のメーカーさんから良質な黒糖を提供いただけることになり、これを原料とする新しいラムの製造もスタート。徐々に展開を増やしています」

世界四大洋酒に数えられるラムだが、「日本での認知度はまだまだ低いと考えています」と松田さん。「一般のお客さまが日常的に楽しんでいただけるよう、業界をあげて取り組むべきと思っています」

ヘリオス酒造として取り組んでいるのが、ラムの提供機会を広げること。

たとえば、昨年11月に那覇市の商業施設内のフードコート「パレットくもじRYUBO FOOD HALL 」にオープンした「HELIOS PUB -CraftBeer & RUM-」がある。

「そちらの店舗では弊社のラムカクテルを豊富にそろえており、例えば同じモヒートでもモラセスラム、黒糖ラム、アグリコールラムというように、ラムの種類によって変化する味わいを楽しんでいただけます。

さらに、家庭で気軽に楽しんでいただけるRTDとして『TEEDAラムトニック缶』を開発しました。これからも業務用、家庭用両方にラムをアピールしていきたいと思っています」

沖縄県内では徐々に販路の広がりを見せているそうで、次なるステップとして沖縄県外へのアピールを考えているそうだ。

シングルモルトジャパニーズウイスキー 「許田 ラムカスクフィニッシュ」(左)と「許田 シェリーカスクフィニッシュ」(右)ともに¥16,500。

洋酒&泡盛製造の知見を生かしたウイスキー製造も。

ヘリオス酒造のもう一つのトピックは、ウイスキー製造に再び力を入れ始めたこと。

こちらはラムの蒸留に使われてきたポットスチルを使用しており、もろみの製造は同じ敷地内にあるビール製造設備を活用している。

熟成についてはシェリー樽、バーボン樽、コニャック樽に加え、泡盛樽でも行っているそうで、洋酒から泡盛へ、そしてまた洋酒へと、これまで培ってきた幅広い知見やノウハウがすべての酒造りに貫かれている。

「ウイスキーについては1963年に酒造免許を取得しており、長年に渡り製造に取り組んでおりました。

が、琉球泡盛の製造に力を入れ始めたこともありウイスキーの製造量は少なくなっていったんです。

2014年から自社製造である『シングルモルトジャパニーズウイスキー許田』を復活。ウイスキーにも再び力を注いでおります」

沖縄で最初にラム、ウイスキーの製造を始めたメーカーとして、すべてのハードリカー愛好家にヘリオスのラム&ウイスキーを知ってもらいたい、と松田さん。

ヘリオスのラムやウイスキーを通じて沖縄県産ラムやウイスキーが日本中、世界中で気軽に飲まれるシーンを作りたい。そんな目標を掲げ、オキナワンスピリッツを造り続ける。

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SHOP INFORMATION

ヘリオス酒造
沖縄県名護市許田405
TEL:0120-41-3975
URL:https://www.helios-syuzo.co.jp

SPECIAL FEATURE特別取材